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2014-09-05

少々刺激的なタイトルで失礼ですが、「鳩胸出っ尻は嫁に貰うな」の筋力の低下した現代人版です。男性はあまりヒールを履かないのでのでこのタイトルにしました。様々な趣味がありますのでゼロとは申しませんが、同じ形体なら「婿に貰うな!」にします。(笑)

姿勢分析ソフトのメーカーさんに勝手ながらリンクを貼らせて頂きます。

この中のD:スウェイバックがこれに当たります。

さて、最近は脚を長く見せるために非常に高いハイヒールを履かれる女性を街角で見受けますが、大抵の方は膝が曲がっています。つまり爪先立ちでは膝を曲げないと立っていられない女性が殆どになってしまったことによる現象です。では何が原因なのでしょう。

直接の原因は腰椎5番の前方変位です。腰椎5番は腰骨の一番下の椎骨で骨盤の上のラインよりすぐ下にあります。通常腰椎は3・4・5番が重心線上に椎体(体重を乗せる部分)がありますが、これが重心より前方にあると4番から上が重心よりも後方にあることになり、重い頭がかなり後方になるので、顎を引きながら前方にズラしてバランスを取ろうとします。結果として股関節を軸に上体は後方に、脚は前方に出しながら歩くので、結果として歩行ロボットのASIMOの様な歩き方になります。ASIMOは背中に大きなバッテリーパックがあるので後方にズラす必要がないので上体は直立しています。

ヒールを履いてこの様な歩き方をされる女性は症状の軽重はあっても大抵肩こりや首筋の痛み、頭痛、眼精疲労、小顔矯正の要求(笑)をされます。また、この症状が長く続きますと、最初は頚椎の「ミリタリーネック化(弯曲のない真っ直ぐな首)」になります。重い背嚢(リュック)を長時間担ぐために頭を前に突き出してバランスを取るので、弯曲が消失するためこの様な名称が付いています。この症状が更に長期化すると今度は頚椎の5−6番の関節が潰れ前方に飛び出し、2−3番が大抵利き腕の方へ頭が倒れながら後方にズレ、症状が固定化します。

結果として、首や頭が痛い(精神的に神経質になり易い)。首の斜角筋が拘縮し、背中が前かがみになるので呼吸が浅く疲れやすく、回復し難く怪我をし易い。酸素不足で顔色が青いか白い。何より腰痛になって家事が滞る。出産時は難産になり易い。産後は体調を崩しやすい。腰が弱いので抱っこが苦手。さて、嫁にしよう、迎えようとされる方は治してからの方が良いと思われませんか?

では何故こんなことが起こるのでしょう。原因はぶら下がらなくても生きられるほど文明が進化したことと、平らな場所で生活するので背骨を捻って使う機会が減ったことにより、腰部腱膜が固くなり腰椎5番を前に押し出したためです。解消するためには腰部腱膜を伸ばして本来のバランスを取り戻す必要があります。しかし、どうすれば良いのでしょう。フィットネスクラブでは腰を反らせてスクワットをすることを推奨しますが、腰の下部は反り過ぎ、上部は後方で固定されています。実際の所それに対処できるトレーニング機器は現在一般の機器には無く、唯一現在私自身が医療器メーカーのOG技研様と共同開発中の「コア・フレックス」のみです。私が要求する機能を有した器械を散々探し回ったのですが、ついぞ同じ問題意識を持って開発されたものが無かったのが実情でした。皆知っていることなんですが治し切る気が無いんでしょうかね?

さて、現在一台しかないのでご来院頂けない方のために次善策を幾つか提供致します。まず、上記の様な形体の方は上部の大腰筋が弱っており上部腰椎を前に引っ張れなくなっています。更に下部腰椎の腰部腱膜が短縮しているので、正確に腰椎を後方に誘導は出来ませんが、これが出来ればいつかは正常になる運動で仮称「あぐら起き」をご紹介します。今は亡き伊藤守師が開発した胴体力運動の中で、名称が判らないので仮称にしました。渋谷の「飛龍会」でまだ伝承している筈ですので近くの方はご参加ください。あぐらで座って足の裏を合わせ、足首を両手で掴んで背骨を一本一本床に着ける様にゆっくり転がり、ゆっくりと起き上がることです。これが出来るなら今度は爪先近くを持ってからやってください。

起き上がれなくても、起き上がろうとするだけでみぞおちの奥の筋肉が頑張っていることがよく感じる筈です。筋肉が付いて下部腰椎の腱膜が伸びてくれれば起き上がれます。出来ないときは仰向けから足を頭の上まで差し出す「でんぐり返し」で腰を伸ばしてください。また、症状が長ければ肋軟骨も変形しておりますので、肋間筋や前鋸筋や後鋸筋を動かす必要があります。長くなりましたのでこの辺で。

posted by 若佐 政儀 | 2014/09/05 - 14:48 |