トップページ » 院長ブログ > 未分類 > 潰瘍性大腸炎治癒と副作用?による肥満の解消について

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2016-10-08

30代女性より相談があったので、病態による誘因を幾つか上げ、その対処法について説明してみた。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜が荒れることにより下痢と便秘を繰り返す。
結論から言えば下部胸椎の筋肉が固くなったことによる交感神経障害と思われます。
アレルギーなどで無ければ腰椎1・2・3番まで柔らかくなれば治るものと思われます。

以下は詳述ですので少々知識が必要です。

1.粘膜について。

粘膜は腸壁表面で便を円滑に送り出すためにあり、腸壁を守る役割も有る。
新陳代謝も早いので、材料は常にそこに無くてはならない。
材料はタンパク質なので、タンパク質+ビタミンBC+鉄(他必要なミネラル)+酸素。

相談者は出産の影響もあり、漏斗胸(凹んだみぞおち)と、
平らな背中(生理湾曲喪失)があり、
胸骨の位置も高く、上中部胸郭が殆ど動いていない。
加えて頚椎もフラットでルシューカ関節による
ロック機構が働かず首が非常に不安定。

結果として呼吸は浅く、肺活量も非常に少ないため、
乾燥すると速い吸気のために喉や鼻が痛くなる。
加えて心拍数が120が常時らしい。
貧血の診断は受けていないが、循環血漿量不足(血液の総量)が予想され、
血液の水分量不足で濃縮しており、検査結果は額面通りには受け取れないので、
少ない血液で必要を満たすための適応と見られる。

結果として粘膜は最も新陳代謝が早いので、
材料不足により薄くなり、機能が果たせなくなっている。
特にコラーゲンの生成には酸素が必要で、
少ない肺活量で必要な酸素を賄うことに
耐えられなくなっていると考えられる。

腰椎は過前腕気味なので、
それより上部はフラット化しているので、
まずは腰を正常に動くようにしていけば、
それ以降の脊椎(背骨)は正常な位置に戻りやすくなる。
方法論としては緩消法が自分で出来るので、
下記のURL先の動画を参照して頂きたい。

十分に腰背部の筋肉が緩んでしまえば姿勢も改善され、
呼吸障害も起こり難くなる。
この相談者の場合は、脈が70/一分に戻ることだろう。
酸素以外の栄養素に関しては後述するが、
基本的に過度の偏食(菜食主義等)をしていない限り、
現在の日本において通常栄養不足は考えられない。

2.腸内環境:避けるべきものと摂るべきもの

腸壁に潰瘍があることで血管は剥き出しになり、
血管内に腸内の内容物が多く漏出する。
食物過敏症など、体質によっては粘膜を壊す食品を摂っていれば、
いくら薬が進歩してもマッチポンプにはなってしまう。
小麦粉グルテン・大豆などのレクチン・ナス科のシュウ酸
・穀物のBT毒素(遺伝子組み換え食品)などが代表だろう。

人によっては影響も微々たるものだが、
成長期や真っ先に新陳代謝する粘膜の問題を抱えていては
その影響を確認するために言一旦は排除してみるべきことと考える。
まずは二週間、当該のものを避け、
その後、影響が出るか確認を少量摂って確認。
ガスが出やすいなら増えるかどうかで判断できる。

詳しくは書籍『最強の食事』が原因や実施方法が詳しいのでそちらを参照して頂きたい。

3.栄養不足

腸粘膜が傷んでいれば正しく吸収することは難しい。
理由は、本来血管内のpHは弱アルカリ性であり、
それを崩さないよう腸粘膜が調整しながら吸収している。
大腸が潰瘍状態であれば小腸もトラブル状態と考えるべきであり、
なるべく必要な栄養素の高い食物にし、少なく食べ、
胃腸の負荷を減らすべき。

栄養価を上げるためにはその媒体が本来食品であるのだが、
量を減らして栄養素を摂りながら腸の負担を軽減するには、
ゼラチンが役に立つ。

ゼラチンは通常、牛や豚の骨髄から採取し、
精製したものであり、ただのタンパク質であるが、
様々な味付けが出来ることで解るように、
その性質上、栄養素を取り込んで吸収しやすくする。

鉄は無機鉄の状態では吸収が難しく、
アミノ酸に挟み込むことで吸収しやすくなる。
サプリメントでは「アミノ酸キレート」と表示される。

潰瘍によって失血することによって
貧血気味であることが予想され
鉄の補給は粘膜を補修する上で急務であり、
ビタミンBCを同時に添加すれば、
改善しやすくなる。

グミ状のサプリメントを摂ることも良いが、
あくまでも通常の食事に変わりなく栄養分を添加するなら、
炊飯器に少量のゼラチンを入れることで吸収を促進出来る。
痩せたいと言う事なら穀物は避けるべきなので、
スープに混ぜるなどの工夫が良いだろう。

ネット上に種々献立はあるので参考にして頂きたい。

4.休眠ミトコンドリア

糖質を取り続けることによって、燃焼し難い脂肪分を
酸素でエネルギーに変えるATP代謝は不要になるため、
粘膜を再生するエネルギーを必要なだけ産生出来ない。
ガソリン(糖質2kcal)、軽油(タンパク質5kcal)、重油(脂肪8kcal)。
ガソリンは燃えやすい分すぐに無くなる。
糖質も同じで2〜3時間で無くなるので、
ジャムトーストのみの朝食では昼前に空腹になることがその証明。

詳しい実態は不明だが、
糖質に関して無警戒に食べていた可能性が高い。

休眠したミトコンドリアを目覚めさせる為には、
72時間の絶食をお勧めする。
いきなりは辛いので、アミノ酸の粉末を用意し、
空腹時は多めの水とともに摂ることをお勧めする。

また、その後の食事は穀物を避け、
糖質を避けながら野菜と魚を多く摂ること。
肉類も穀物を飼料としたものを避けるべきで、
理由はオメガ6を脂質が含んでおり、
炎症の原因となる。
牛は脂肪を増やすために穀物を「濃厚飼料」として与えており、
腸内でのガスの発生やオメガ6を含むことになり、
炎症の原因となる。

反対に牧草を飼料とした牛や羊は
炎症を抑えるオメガ3を含んでおり、
基本、オージービーフやマトン(羊)、
ニュージランド産バターなどは豊富に含まれる。
行きつけのスーパーに無ければ、
本来仕入れ価格が安いので、
申し出れば仕入れて貰えるし、
定期的に買っていれば棚から消えない。

5.肥満の理由

潰瘍性大腸炎による肥満の原因として、
潰瘍部分から腸内内容物が継続的に
血管内に入り続けることで発生するトラブルがある。

当然のごとく抗体反応が起こるので炎症が発症。
血液に入り込むので体中で抗体が頑張ることになります。
自覚症状の有無に関わらず症状がある限りです。

結果として炎症を収めるためにオメガ3が必要で、
油分の要求値も増えるので、体は必要な食品を摂るべく
食欲を向上させますが、キチンと摂れていなかったら
また要求。

その際に糖質を過度に摂っていたら太るのは当然。
アメリカに行くとこの世の物とは思えないような
肥満に出くわしますが、糖質ばかりで栄耀のない物を
繰り返し食べたから。

血糖値が上限を超えるとインスリンで中性脂肪に変換して下げ、
急激に下がり過ぎるとアドレナリンを使ってまた上昇。
空腹時に甘い物を摂ると往復ビンタ的に中性脂肪を作ります。

解消法は炎症を抑えるオメガ3を含んだオリーブオイルや亜麻仁油。
牧草のみを飼料とした牛や羊の肉を食べたいだけ。
またその牛乳から作るグラスフェット・バターやギー(バターを精製した調味料)。
ココナッツオイルと脂肪酸を加工したMCTオイルを
一日大さじ二杯程度、加熱しないで食す。

因みに脂肪をどれだけ食べても血中脂肪は然程上がらず、
心配すべきは尿酸値。

取り留めなく書きましたが、現状ではこんな所です。
医師の治療は受けつつ、平行して取り組んで頂ければ幸いです。

posted by 若佐 政儀 | 2016/10/08 - 20:24 |