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2019-01-11

発達障害児が急増していることはご存知だろうか?

文科省の特別支援教育の現状②より対象児童は平成5年12,259名。平成25年77,882名。実に20年で6.5倍の増加である。グラフを見て頂ければお判りと思うが最多の言語障害一万人弱から三万三千人の3.3倍。その他の症状に至っては2,635名→44,277名。実に16.8倍である。出生率は14%ほど落ちているので割合で見るならば19.5倍である。私の長男も療育手帳Aを所持しており、この数字に含まれている。

特別支援

何故このようなことが起こるのか?筆者も親として、また筋骨格系脳神経学を学んだ者としてでき得る限りの研究を行っていたがつい最近まで確たる原因が掴めないでいた。 公共機関である支援センターによれば発達障害の原因は遺伝と保護者に説明している。たかだか2〜30年で我々日本人の遺伝子は変質したとでも言うのであろうか?

長男の自閉が確定する頃から情報を集めて来た。様々な説が乱れ飛び、保護者は翻弄され続けて来たが、端的に言えば脳機能が部分的に欠損していることで発症し、欠損部位が何処にあるかによってその症状は多岐に渡る。原因は異なるが脳梗塞も血栓が出来る部位や範囲が異なればその症状は千差万別。昨今、血栓を素早く除去出来るようになり、軽度であれば後遺症もなく復帰できるほどである。血栓によって瞬時に症状が出るのは脳細胞の酸欠による。脳は体重の2%程度の重量だが酸素は23%使用する。酸素が必要なだけ届かなければ脳細胞の機能は失われるためだ。では、これから脳の機能を優先的に充実させるべく成長する新生児に血栓と同様の血流不足が起こったとすればどうなるのかは想像に難くない。元々の由来とは異なるが結論から言えば自閉症を含む発達障害とは「自ら脳血管を閉じた症状」とも言える。

諸症状が血行障害の部位によるものなのであれば、血行障害に絞って対策を採れば、発症そのものを削減できる。勿論その他の原因の可能性は排除できないが、発達障害児に特に目立った基質変化が見られないため、この文面においては血行障害に絞り、その直接原因については後述する。

「非異型愁訴」と言う言葉がある。身体の組織にこれと言った基質(状態)変化が見られないにも関わらず症状があるもので一般的な用語では「不定愁訴」及び「自律神経失調症」を使っている。ちなみに自律神経を失調していない病は存在しないので、「症」を付けて病名のように表記するのは個人的には間違っていると考える。腰痛や肩こりなど非異型愁訴の最たるもので、病院では腰椎症・頚椎症と診断名が付く。2016年から混合診療が解禁され、これから改善されて行くが、これは症状名に対して治療が施される保険診療に対する、現場医師の善意による「苦肉の策」と言える。症状を確定できないままX-RAY・CT・MRI・その他の検査結果で異常が見つからず症状名が付けられなければ、診断料を含め約28万円の費用を実費で当日支払う必要があるからだ。

医師が学ぶ生理学の教科書において「腰痛や肩こりは筋肉に適度な血流が無いために発症しており、理学療法・その他の施術によって血流が回復すれば痛みは消失する」とある。しかしそもそも血流が、基質変化が認められない中、何故発生するのかは原因不明であり「個人差」とされて来た。2007年の厚労省調査によれば腰痛・肩こりは機能回復しても治癒に至っていないために再度発症しており、2008年以降、保険手数が4割削減(5点→3点)され、それ以降多くの関連資格を持った技術者(医業類似行為法資格)が生活が成り立たず離職している。業界は血流不足が治癒に至る明確な論拠を示すことができなかった。

結論から言えば血流が不足する原因は筋肉が固くなったことによる。2012年日本医療統合学会誌において公表された論文
「緩消法が腰背部の筋緊張及び腰痛に及ぼす影響」https://www.jho.or.jp/201203.pdf
筋肉中の老廃物を特定方法「緩消法」により除去した結果、筋硬度は有意に低下し、硬度低下は痛みの低減に比例している。前述したように慢性的な痛みは血流不足が原因であり筋硬度の低下は血流の回復によって痛みが消失または低減したことを意味する。

脳血流の異常が発達障害の原因と前述したが、腰痛や肩こりの原因とどう因果関係に疑問がある方のためと敢えて記述する。血液はかなり速い速度で循環するもので、動脈は中心から末梢に至り、各臓器や筋肉に酸素や各種エネルギーや代謝のための材料を運び、各所で用途の終わった老廃物を受け取り静脈で帰って来るその循環である。静脈は逆流防止弁によって筋肉の緊張で一定方向に送られ、弛緩した際に負圧によって引き込まれる。その筋肉が固く、十分な緊張と弛緩を繰り返せないのであれば、そこで循環が制限され、動脈血も必要な場所に必要なだけ届けられない。筋肉・腱・膜には神経終末があり、そこで痛みを感じることができるが、脳細胞には神経終末がないため、新生児は脳の血流不足を泣いて「訴える」こともできない。胎児及び乳幼児に血栓が有ればそれは「異型」として残るが、残っていない以上頸椎動脈の、特に頸椎によって守られず、筋肉中を通る「外頸動脈」と戻って来る静脈が頸部筋が固くなることで血流不足を起こしていることが予想される。

また、脳だけではなく血流不足は血管のある交感神経にも影響が出る。交感神経・副交感神経についてご存じない方のために記述すると車で言うところのアクセルとブレーキにあたり、交感神経(Aδ繊維)は動脈周囲にあって速い伝達スピードが必要なので神経の鞘にある血管によってエネルギー供給され、比較的伝達スピードが必要でない副交感神経(C繊維)には血管の鞘が無い。これは正座をした脚に端的に現れる。正座することで圧迫された交感神経への血流が止まると皮膚感覚が無くなる。その内筋肉も血流が止まり、力が入らなくなり、血流が止まることで痛みが発生すると血流の無い副交感神経が痛みを脳に伝える。痛みを伝える神経に血行が必要なら、誰でも達磨大師のように脚が腐り落ちるまで正座できることになるので非常に危険である。

つまり、筋肉が固くなり交感神経を圧迫して神経の血流が不足すれば、環境の変化に適応できない。その典型的な症状が鼻粘膜に交感神経があると「予想されている」花粉症だ。空気が乾燥して吸い込んだ空気を湿らせ、更に鼻粘膜を湿らせ空気中の粉塵を粘膜や鼻毛に吸着し、粘膜より不要なものを血管に通さない機能があるが、空気の乾燥を伝える交感神経が機能しなければ、徐々に鼻水を増やすこともできない。その結果、ヒスタミンにより痒みが発生し粘膜が腫れ、マスト細胞に侵入した抗原により抗体がロイコトリエンを分泌し鼻水で抗原を洗い流すべく大量に鼻水を出して挙句に鼻づまりを引き起こす。

血行障害に起因する不定愁訴は全体の2/3。体中の筋肉を無緊張にする事でそれが全て解消する可能性がある、とは緩消法開発者の坂戸孝志の弁。

新生児においてこの血行障害の元になるのは第12肋骨から腰椎を経て骨盤に至る腰方形筋である。何故ならその主要動作である側屈だけが首がすわるまでの新生児にないからだ。人間の体は2ヶ月間自力で筋肉の収縮をしなければ、筋小胞体から滲み出したカルシュウムによって「石灰化」する。結晶化すればX-RAYに写るが、粘液化の段階では写らない。ぶら下がって腰を伸ばす動きでも代用できるが、昨今は首のすわらない新生児をオンブ紐で背負ってまで家事をする母親は居ない。また、核家族化や神社による地域コミュニティの消失、敗戦後の分断工作で祖先から受け継いで来た子育ての知恵やノウハウも失われた。団塊世代が住んでいた文化住宅では祖母が子守を手伝いに行くことも難しい。

体感的に新生児の要求を汲み取る身体能力も最早ないので安全重視で対処するしかなくなっている。アフリカや南米のスポーツ選手は筋肉が柔らかく、日本人には真似できない動きをすると言う。アフリカの大地を人類最初の母親「イブ」が旅立ってまだ1万8千年。筋肉の性能まで変化するためには8万8千年足りない。この差を生み出す原因は子守をする者の身体能力によって作り出されている。アフリカの例を挙げれば、母親はオシメもしないでそのままケープで新生児を包み結び目を胸にして背負う。お漏らしで背中を汚される心配はないのか?尋ねると「あなたは自分の便意が分からないのか?」と不思議な顔をされる。新生児と自身の区別が出来ないほど意思の疎通ができるほどの身体感覚で、背中の新生児の力み方で便意が判り、大小のどちらかまでの判断力を持っているからだ。

また、首のすわらない新生児を怪我させないか怖いと思う感覚は理解できるが、最初のイブは「ケープ」を持っていたのだろうか?生まれた直後から両手もしくは片手で抱き続けられたことは想像に難くない。そのまま外敵に襲われれば全力で逃げたことだろう。それで「原初イブ」の息子や娘が首を痛めて死ぬのであればこれを読んでいるあなたはこの世に存在しない筈である。

何らかの動作の上手い人を「センスがある」と褒めることがある。その「センス」とはそもそも何か?センスを作るのは脳脊髄だが、そのセンサーは何か?身体中の筋肉である。つまり動かない筋肉はセンサーにならない。新生児の僅かな動きを感知できる筋肉が備わってこそ可能になる。ではその様な感覚を現代の保護者に求められるだろうか?答えは否であるが、簡便な代替案はあるので後述する。

その現代の新生児の両親は甚だ酷い状況である。血行障害と固い筋肉に由来する症状をあげると、先ずは柔軟性の低下。余りにも低下したので体力診断の立位体前屈が長座体前屈に変わった。前屈して指先が床に届かないのだ。伸体・屈体の範囲は余りにも小さい。

O脚・X脚の増加。昭和中期の筆者から見れば平成世代の四肢は長いが、扁平足を伴うO脚、反り腰のX脚は余りに多い。特に骨盤の広い女子のX脚や内股は非常に多い。原因は大腿骨の挙上と内旋をする大腰筋が固くなることで内側に回っているのだ。バレリーナなどの矯正された正常な外股はあるが正常な内股は無い。腰の筋肉が固ければ骨盤から後頭部まで肋骨を介して起立筋は繋がっているので全て固くなる。ゴム紐を任意の位置だけ固くできないのと同じである。その背で新生児の動きを感知できないのは至極当然と言える。また、骨盤も動かないので産道が開かず、過去20年で出生数は減少しているにも関わらず帝王切開の数は二倍になっている。胎児の安全と技術の進歩もあるが、普通分娩が楽で安全であれば、わざわざ体に傷を入れたい女性がいるとは思えない。

余談になるが、近視・ドライアイの増加も外頸動脈周囲の筋肉の固さが悪化に拍車を掛けている。筆者は岡山市北区の北の外れの山の中の出身で小学校は一学年で26名しか居なかったが六年生当時メガネを掛けているのは正副学級委員の二人だけだった。外頸動脈は複雑な事象を体系化する前頭前野に血液を供給するので、極論だが近眼や早期の老眼、花粉症は認知症を早期に患う危険があるとも言える。

「増える校内暴力の生理的原因」

校内暴力

H5年まではほぼ横ばいだが、中学生のグラフが突出している。バブル崩壊とその後の不況は中学生の家庭環境に影響を与えていると思われるが、高校生に中学生ほどの伸びが見られないのは秩序に従う「社会化」が進んでいるためとも言える。小学生はそもそも体力が無いので暴力事件になり難いとも言える。
H8年より急激に増え出すのは、戦前の価値観を否定するように誘導された団塊世代の孫達であり、核家族化やコミュニティの分断により戦前世代の子育ての知恵が本格的に利用できなくなった世代でもある。

グラフは男女合わせたものであり、正確な論考は出来ないが、仮に新生児期に腰方形筋が固くなり、徐々に起立筋全体が固くなっていたとすれば生理的に説明ができる。ある薬剤師が中心となった栄養学のセミナーで米国の特等少年院に収監された少年少女は92%が貧血であり、食事の改善で75%の収監者の問題行動が改善されたと聞いた。出典元は聴けなかったのでご容赦頂きたい。

貧血が改善されたことで何が収監者の行動を改善させたのか?ヒステリーと言えば以前は女性に多いものとの認識だったが、これは端的に言えば生存本能の暴走であり、例えば行為の否定を存在の否定と生存本能が受け止めてしまっていることによる。恐怖からは逃げるか立ち向かうかであるが、逃げるために怒る、立ち向かうために怒るのがヒステリーとも言える。

これは脳内の生存本能を司る扁桃核が鉄分不足になると起こる。また、貧血は文字通り「血が貧しい」ので鉄分が足りず、タンパク質である神経伝達物質が作り難い状況にもなる。また、日本の平均的な食事を摂っていれば栄養素の摂取不足になることは無いが、胸椎5-12番から出る消化器系の交感神経が血行不良で十分に働いていなければ栄養分が摂取されてもその栄養素は吸収されにくい。そして血液検査は十分な数値であったとしても、首の筋肉が血液循環を邪魔する程度に固ければ血行不良で同じことが起こり得る。

些か牽強付会に過ぎる感はあるが、筋肉が無緊張な中学生など殆どいない現状では反論することは困難。更に中二病と言われる思春期のホルモン代謝の活発な時期と成長期に必ず起こる貧血傾向の時期が重なり万能感と無力感の狭間で激しく揺れ動く中、異性を意識し始め、受験のプレッシャーが掛かり、生存本能が過度に働くことを意思で止めるのは本当に難しいと思われる。その結果が学内暴力に現れていると言えるだろう。

さて、首がすわるまでの新生児の処置だが、オシメ交換の後にお尻を左右に振って暫し遊んであげることだ。ただし寝ていては自力で筋肉を収縮しないので効果が薄く1/5程度になる。後ろ頭が歪んでいたり、どちらか片方を長く向いていたり、吸引分娩によって強引に引き出された子も頸部筋を傷めており、頸椎周囲に固い筋肉が無いことが望ましいが、これは聞き分けができるようになってからでも十分である。腰が柔らかい子供の頸椎の筋肉の中で僅か20μの筋繊維に対する施術は正確に行うなら痛いことは考えられず、施術者が子供に嫌われることは余り考えられない。後頭部が変形していても成長過程で修正できる。もしも健全な子供を産みたいと思う「お母さん」は妊娠する前に完全に無緊張の体になっておくべきだ。

来たる新元号生まれの子供たちが成人する頃「昭和や平成うまれの人達って腰痛や肩こり、発達障害や花粉症、鬱や認知症なんてのがあったらしいけど何か知っている?」と言う会話が聞かれることを願ってこの稿を終わりたい。

posted by 若佐 政儀 | 2019/01/11 - 13:55 |