お一人、体格の割に喘息患者の様に胸郭が開いて大きくなったままの患者さんがいます。どんなに定期的に運動をしても柔軟性が上がらず、目覚めたときには背中中が痛いそうでどうにか治したいと頑張って来ましたが捗々しい結果には恵まれません。
肋骨は本来柔軟に少し押さえれば撓む様に動くものですが、その患者さんの肋骨は固い籠の様に動きません。肋骨の根本には二つの関節があり、先端は二つの胸椎の間に嵌まり込んでいて、横突起をガイドに軸転しています。先端は肋軟骨に繋がっているので柔らかく撓まなければおかしいのです。
背中が痛いのですから背中側の肋骨挙筋など細かな筋肉まで見逃さないよう血行改善に努めましたが依然として症状は改善しません。
そこで「レバー」の端を押さえている筋肉があるのではないか?との考えに至り、前面の肋間筋の施術をした所、立ち上がった際、体が無意識の内に反り返るようになりました。体を反らせることが出来るなら後ろの肋間筋を含め、起立筋群は緩むことが出来ますので血行を通すことも可能です。
数ヶ月続いた葛藤も終わりが見えて来たことに安堵しております。